ある町の宮崎物語

五重の滝

ゴールデンウィークは毎度のことながら、いろんな行楽地が混雑します。

 

私も可能なら家族サービスで子ども達を遊園地とか動物園に

 

連れていってやりたいのですが、渋滞の行列に加わる勇気がありません。

 

そこでお友だちの家族も誘って北郷の森林公園に行ってきました。

 

ここならいつでも空いています。

 

子ども用の遊具があるワケでもなく、

 

可愛らしい動物がいるワケでもなく、

 

森林しかないので地元の人には人気がないのです。(笑)

 

実際、日南市に住んでいる私も行くのは初めてだったんです。

 

おやつを持って、お弁当を作って、お茶を準備して…

 

まるでピクニックに行くような感じで森林公園に向かいました。

 

現地に到着し、看板を見ると、どうやら5キロくらい

 

森林の道を歩いていけば、五重の滝というスポットがあるようです。

 

せっかくなので、5キロの道を一時間かけて歩くことにしました。

 

森林の澄んだ空気を吸いながらのウォーキング。

 

最初は気持ち良かったのですが、日頃の運動不足がたたり、

 

最後の方がゼェゼェ言いながら歩いていました。(笑)

 

子ども達は「先に行っててもいい?」と親を置き去りにして

 

ワイワイ騒ぎながらゴールのある滝に向かって走り出しました。

 

やっぱり子どもは元気ですね。

 

早く着いても滝があるだけだぞ?

 

もっと周囲の景色を楽しめばいいのに。

 

そして子どもから送れること数十分、ついにゴールに到着。

 

さぁて、子ども達は遊具もない場所で、何をしているのかな?

 

子ども達は滝に石を投げ込んで遊んでいました。

 

一人が石を投げ込んだら、

 

次の子はその子よりも少しだけ大きな石を投げ込み、

 

その次の子はその子よりも更に少しだけ大きな石を投げ込み…

 

凄い。

 

何が面白いのか全く理解できませんが、

 

子ども達はそんな私にお構いなしにギャーギャーワーワー、

 

本当に楽しそうに大声で笑いながら石を投げていました。

 

子どもは遊びの天才です。

 

親が遊具のある場所に遊びに連れて行く必要なんてありません。

 

環境さえ与えれば、いつの間にか遊びだします。

 

私たちも数十年前はそうだったはず。

 

遊園地に連れて行きたいというのは、

 

もしかしたら、親のエゴかもしれません。

 

子ども達に環境以上のモノを与えるということは、

 

彼らが本来持っている天才的な「遊びに対する創造力」を

 

無くしてしまうのかもしれません。

 

そんなことを考えさせられた出来事でした。

 

フォト 島中星輝

エッセイ 島中星輝